はじめに
MTermの特徴と基本的な使い方 — ホスト登録からターミナル操作まで
MTermをはじめよう
MTermとは
MTerm は、iPad / iPhone からリモートサーバーに SSH 接続できるターミナルクライアントです。Claude Code をはじめとする AI ターミナルツールを、モバイルデバイスから快適に操作することを目的に設計されています。
従来の SSH クライアントでは「日本語が崩れる」「画面が狭くて使いにくい」「接続が切れるたびにやり直し」といった問題がありました。MTerm はこれらの課題を根本から解決し、iPad を本格的な開発端末に変えます。
MTermの強み — 他のSSHクライアントとの違い
ネイティブペイン分割
tmux を使わなくても、アプリ内で最大 4 つのターミナルを同時表示できます。横分割・縦分割・グリッド表示に対応し、ドラッグで境界線をリサイズ可能。さらにペインにはターミナルだけでなく、ファイルエディタや Finder も配置できるため、IDE のような統合環境を 1 画面で実現します。
CJK(日本語・中国語・韓国語)の正確な描画
全角文字を正しく 2 セル幅で描画します。他のアプリでよくある「文字が重なる」「カーソル位置がズレる」といった問題が発生しません。IME 変換中のテキストもカーソル位置にオーバーレイ表示され、日本語での作業がストレスなく行えます。
tmuxマウスモード統合
tmux を使っている場合、タッチ操作をそのまま tmux のマウスイベントとして送信します。タップでペイン切替、スクロールで履歴操作が可能。モードは Auto / Always ON / Off の 3 段階から選べます。
Mosh対応
UDP ベースの Mosh プロトコルに対応。Wi-Fi からセルラーに切り替わっても接続が途切れず、自動的に復帰します。カフェや移動中など、回線が不安定な環境での作業に最適です。
リモートファイルブラウザ & エディタ内蔵
SFTP ベースのファイルブラウザでリモートサーバーのファイルシステムをナビゲートし、シンタックスハイライト付きのエディタでその場でコードを編集できます。TypeScript、Python、Swift、JSON、YAML など 11 言語のハイライトに対応。
IDEモード
ターミナル + ファイラー + エディタを 1 画面のペインに配置する IDE モード。Claude Code で生成されたコードを確認しながらターミナルで操作する、といったワークフローがシームレスに実現します。
コマンドパレット
Cmd + Shift + P で全操作にアクセスできるコマンドパレット。ペイン操作、タブ切替、設定変更など、覚えきれないショートカットもキーワード検索で即座に見つかります。
Webhook通知
Claude Code のタスク完了や CI/CD パイプラインの結果をプッシュ通知で受け取れます。長時間かかる処理を走らせて別のことをしていても、完了を見逃しません。
iCloud同期
ホスト情報をデバイス間で自動同期。iPad で登録したサーバーに、iPhone からもワンタップで接続できます。
SSHホストを登録する
1. ホストの追加
TOP 画面の「Add Host」ボタンをタップし、以下の情報を入力します。
| 項目 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| ホスト名 | 接続先の IP アドレスまたはドメイン | 192.168.1.100 / myserver.com |
| ポート | SSH ポート番号(デフォルト: 22) | 22 |
| ユーザー名 | ログインユーザー名 | ubuntu / root |
| 認証方式 | パスワード認証 or SSH 鍵認証 | - |
2. SSH鍵認証(推奨)
パスワード認証よりも安全な SSH 鍵認証に対応しています。以下の鍵形式をサポートします。
| 鍵の種類 | ヘッダー | 推奨度 |
|---|---|---|
| Ed25519 | - | 最も推奨。高速かつ安全 |
| RSA PKCS#1 | -----BEGIN RSA PRIVATE KEY----- | 広く互換性あり |
| RSA OpenSSH | -----BEGIN OPENSSH PRIVATE KEY----- | OpenSSH 7.8+ のデフォルト形式 |
鍵はデバイスのキーチェーンに安全に保存されます。iCloud キーチェーン経由でデバイス間の同期も可能です。
鍵の登録方法:
- ホスト編集画面で「SSH 鍵」を選択
- 秘密鍵のテキストを貼り付け、またはファイルから読み込み
- パスフレーズがある場合は入力
RSA-SHA256 対応: MTerm は最新の OpenSSH 8.8+ で要求される
rsa-sha2-256署名アルゴリズムに対応しています。古いssh-rsa(SHA-1)しか対応しないサーバーへのフォールバックも自動で行います。
3. 高度な接続オプション
- ジャンプホスト(踏み台サーバー): 中間サーバーを経由した多段 SSH 接続。社内ネットワークにあるサーバーへのアクセスに便利です。ジャンプホスト経由でも RSA-SHA256 認証が使用可能。
- ポートフォワーディング: ローカルポートフォワード(
-L)とリモートポートフォワード(-R)に対応。Web アプリの開発プレビューやデータベース接続に活用できます。 - カスタムアイコン: ホストごとにアイコンを設定して視覚的に区別。本番 / ステージング / 開発環境を一目で見分けられます。
- iCloud 同期: ホスト情報はデバイス間で自動同期。iPad で登録したサーバーに iPhone からもすぐに接続できます。
ターミナルの基本操作
ホストをタップすると SSH 接続が開始され、ターミナル画面が表示されます。
スクロール
ターミナルの履歴をスクロールして過去の出力を確認できます。
- タッチ操作: 画面を上下にスワイプ(1本指)
- トラックパッド: Magic Keyboard などのトラックパッドで 2 本指スクロール
- スクロールバッファ: デフォルト 1,000 行、最大 5,000 行まで設定可能
コピー & ペースト
- コピー: 画面を長押しするとラジアルメニュー(放射状メニュー)が表示されます。メニューからコピー操作を選択してください。
- ペースト: ソフトキーバーのペーストボタン、またはキーボードショートカットで貼り付け。
- クリップボード履歴:
Cmd + Shift + Vで過去のコピー内容を一覧表示し、再利用できます。
その他の操作
- ラジアルメニュー: 長押しで表示される放射状メニューから、コピー・ペースト・選択・URL 検出などの操作に素早くアクセス
- フォント拡大/縮小:
Cmd + +/Cmd + -/Cmd + 0(リセット) - コマンドパレット:
Cmd + Shift + Pで全操作を検索・実行
次のステップ
MTerm の基本的な使い方は以上です。さらに便利な機能を活用するために、以下のガイドもご覧ください。
- ペイン分割とタブ管理 --- マルチターミナルとワークスペース保存
- キーボードと入力 --- ソフトキーバー・ショートカット・音声入力
- tmux連携とMosh接続 --- 安定した接続と高度なターミナル操作
- ファイルブラウザとエディタ --- リモートファイルの閲覧・編集
- 外観カスタマイズ --- テーマ・フォント・背景の変更
- プラン比較 --- Free / Pro / Subscribe の違い